【3月18日 AFP】米農務省(USDA)は15日、化学処理された牛くず肉を学校給食に使用するかどうかは、各校の判断に任せると発表した。

 この加工肉は、通称「ピンクスライム」と呼ばれ、ペットフードや食用油に使う牛くず肉をアンモニアで防腐処理したもの。安価な水増し用の材料としてハンバーガーなどのひき肉に混ぜられることが多い。

 農務省が最近この加工肉360万キログラムを購入したため、学校給食での使用停止を求めて22万人の反対署名がオンライン上で集まっていた。

 同省は声明で、全米学校昼食プログラム(National School Lunch Program)にこの肉を使用することについての懸念は認識しているとして、「利用者の声を受け、来年度のひき肉の調達手段については各校が選択肢を増やせるよう調整する予定だ」と述べた。全米学校昼食プログラムでは、主に低所得層の生徒用に3100万食の学校給食を提供している。

 この加工肉が含まれた食品を注文するかどうかは各校に委ねるとしながら、同省はこの肉の安全性や品質について「科学的な根拠に基づく情報」を参考にするよう呼びかけている。
 
 専門家によると、この加工肉は全米のスーパーマーケットで売られているひき肉の70%に含まれているという。

 署名サイトwww.change.orgで反対署名運動を指揮したベッティナ・シーゲル(Bettina Siegel)氏はAFPに対し、メールで「学校給食に通称ピンクスライムを出すことについて農務省が我々の声を聞き入れ、購買手段の方針を変更して選択の自由を与えたことに深く感謝している」と述べた。

 同氏は「各校にとってこれが良い解決なのか、また今後さらなる措置が必要かどうかを見極めるため、現在追加の質問を投げている」と明らかにした。(c)AFP