【2月17日 AFP】ブラジル中部ゴイアス(Goias)州ゴイアニア(Goiania)の産科病院で15日、下半身が結合したブラジル人結合双生児の分離手術が10時間近くかけて行われ、無事成功した。主治医がAFPの取材に明らかにした。

 1歳2か月のイスラエル(Israel)ちゃんとレビ(Levi)ちゃんは、腹部と臀(でん)部で結合しており、足は2本ずつあるが腸と膀胱(ぼうこう)、生殖器を共有していた。結合双生児の分離手術が専門で過去7例の執刀経験をもつ小児外科医のツァハリアス・カリル(Zacharias Calil)医師は、「複雑で難しい手術だったが、(分離に)成功した。(兄弟は)手術を順調に乗り切った」と述べた。

 結合双生児の分離手術では、頭蓋骨が結合している場合が最も難しい。イスラエルちゃんとレビちゃんのような下半身結合の手術は、これに次ぐ難易度という。カリル医師によると、医師や技師、看護師など30人の医療チームが2人の腸と排尿器官、臀部を分離し、2つの膀胱(ぼうこう)の復元を行った。

 手術の準備は、2010年12月に2人が誕生して以来、専門医が母親にアドバイスをしながら進められてきた。前年11月、2人は家族とともに北東部セアラ(Ceara)州の州都フォルタレザ(Fortaleza)からゴイアニアへ移動。皮膚を伸展させる処置を8回行うなど最終準備を整えてきた。カリル医師はこの処置について「腹部の縫合に役立った」と説明している。

 現在、2人は回復期に入っており、専門家が各器官が機能しているかどうか厳重に監視するとともに、術後感染を警戒している。カリル医師によれば、2人が回復する見込みは50%という。

 同医師によると、手術費用の約46万5000ドル(約3700万円)は、ゴイアス州が助成した。(c)AFP