「睾丸に超音波」、新たな避妊法の可能性 米研究
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【2月1日 AFP】ラットの睾丸に超音波を当てて精子の数を減らすことができたとする論文が、28日の英医学誌「Reproductive Biology and Endocrinology(生殖生物学・内分泌学)」に発表された。将来的に、安価で信頼性が高く、可逆的な(元に戻せる)男性向け避妊法として活用できる可能性があるという。
米ノースカロライナ大(University of North Carolina)医学部のジェームズ・ツルタ(James Tsuruta)博士率いる研究チームは、ラットの睾丸に超音波振動子で発生させた超音波(3MHz)を当てたところ、実験期間を通して生殖細胞が減少したことを見出した。
論文によると、超音波振動子とラットの皮膚の間は生理食塩水で満たして超音波の伝導体とし、睾丸は37度に温めて実験を行ったという。最良の結果が得られたのは、超音波を15分間当てるセッションを2日の間隔を開けて2回行うという方法で、生殖細胞の数をゼロにすることができた。
不妊症ではない男性は通常、1回の射精で3900万個以上の精子が放出される。世界保健機関(WHO)は、精子の数が1ミリリットルあたり1500万個未満の場合を低精子濃度と定義している。
ツルタ氏は「ラットは人間とは違い、精子が極めて少ない状態でも妊娠させることができる。だが、われわれが行った非侵襲性の超音波避妊法は、不妊症でない人間の通常の量をはるかに下回るレベルまでラット体内の精子を減らすことができた」と指摘する。
この方法による避妊効果がどれだけの期間続くのか、複数回行っても安全なのかを調べるため、さらなる研究が必要だと、同氏は付け加えた。(c)AFP
米ノースカロライナ大(University of North Carolina)医学部のジェームズ・ツルタ(James Tsuruta)博士率いる研究チームは、ラットの睾丸に超音波振動子で発生させた超音波(3MHz)を当てたところ、実験期間を通して生殖細胞が減少したことを見出した。
論文によると、超音波振動子とラットの皮膚の間は生理食塩水で満たして超音波の伝導体とし、睾丸は37度に温めて実験を行ったという。最良の結果が得られたのは、超音波を15分間当てるセッションを2日の間隔を開けて2回行うという方法で、生殖細胞の数をゼロにすることができた。
不妊症ではない男性は通常、1回の射精で3900万個以上の精子が放出される。世界保健機関(WHO)は、精子の数が1ミリリットルあたり1500万個未満の場合を低精子濃度と定義している。
ツルタ氏は「ラットは人間とは違い、精子が極めて少ない状態でも妊娠させることができる。だが、われわれが行った非侵襲性の超音波避妊法は、不妊症でない人間の通常の量をはるかに下回るレベルまでラット体内の精子を減らすことができた」と指摘する。
この方法による避妊効果がどれだけの期間続くのか、複数回行っても安全なのかを調べるため、さらなる研究が必要だと、同氏は付け加えた。(c)AFP