運動せずに筋肉つくる薬、熱中症予防の効果も 米研究
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【1月9日 AFP】4年近く前に発見された「AICAR」は運動をしないマウスに筋肉をつけることのできる薬だが、この薬に熱中症を予防する効果もあったとする論文が、8日の英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された。研究を続ければ、熱に極端に弱く、暑い日の運動や活動で死亡する危険性のあるスポーツ選手や兵士たちを助けることができるかもしれない。
AICARは2008年、まったく活動をしない実験用マウスの筋肉を発達させ、持久力を高める効果が発見された後、「カウチポテト薬」と呼ばれるようになった。現在は、深刻な筋肉関連の疾患や代謝障害などの治療薬として研究が進められている。
■マウスの悪性高熱症の予防に効果
米国の研究者らは8日のネイチャー・メディスン誌の論文で、マウスにおける悪性高熱症と呼ばれる疾患の予防に、このAICARが役立つことが偶然発見されたと述べた。悪性高熱症は死に至ることもある症状で、RYR1遺伝子の欠陥により引き起こされる。この遺伝子はマウスも人間も保有している。
米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)にあるベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)のスーザン・ハミルトン(Susan Hamilton)教授(分子生理学)は「AICARをマウスに投与すると、熱による死亡を予防する効果が100%あった。活動の10分前未満の時点で投与した際にも効果があった」と語った。
■スポーツ選手や兵士の熱中症予防に期待
この発見は、熱に敏感な若いスポーツ選手や砂漠に派遣された重武装した兵士らに対する予防措置として活用できる可能性がある。RYR1遺伝子の異常は3000人に1人の割合で発生するが、理論的には将来の薬剤はRYR1欠陥を持たない人々にも効果を持つ可能性があるという。
「RYR1の変異した個人が熱中症にかかるときに起きるプロセスは、RYR1変異のない個人に起きるプロセスと類似している可能性が高い」と、米ニューヨーク(New York)にあるロチェスター大学メディカルセンター(University of Rochester Medical Center)のロバート・ダークセン(Robert Dirksen)教授(薬理学)は説明した。(c)AFP
AICARは2008年、まったく活動をしない実験用マウスの筋肉を発達させ、持久力を高める効果が発見された後、「カウチポテト薬」と呼ばれるようになった。現在は、深刻な筋肉関連の疾患や代謝障害などの治療薬として研究が進められている。
■マウスの悪性高熱症の予防に効果
米国の研究者らは8日のネイチャー・メディスン誌の論文で、マウスにおける悪性高熱症と呼ばれる疾患の予防に、このAICARが役立つことが偶然発見されたと述べた。悪性高熱症は死に至ることもある症状で、RYR1遺伝子の欠陥により引き起こされる。この遺伝子はマウスも人間も保有している。
米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)にあるベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)のスーザン・ハミルトン(Susan Hamilton)教授(分子生理学)は「AICARをマウスに投与すると、熱による死亡を予防する効果が100%あった。活動の10分前未満の時点で投与した際にも効果があった」と語った。
■スポーツ選手や兵士の熱中症予防に期待
この発見は、熱に敏感な若いスポーツ選手や砂漠に派遣された重武装した兵士らに対する予防措置として活用できる可能性がある。RYR1遺伝子の異常は3000人に1人の割合で発生するが、理論的には将来の薬剤はRYR1欠陥を持たない人々にも効果を持つ可能性があるという。
「RYR1の変異した個人が熱中症にかかるときに起きるプロセスは、RYR1変異のない個人に起きるプロセスと類似している可能性が高い」と、米ニューヨーク(New York)にあるロチェスター大学メディカルセンター(University of Rochester Medical Center)のロバート・ダークセン(Robert Dirksen)教授(薬理学)は説明した。(c)AFP