【12月31日 Relaxnews】歯科医院での痛みや不安を緩和する最善の手段は音楽に身を委ねること――このような論文が医学誌「Journal of Pain」12月号に掲載された。

 米ユタ大学(University of Utah)の研究チームは、143人の被験者に、音楽を聞きながら指先に痛みを伴うショックを受ける実験に参加してもらった。メロディーをしっかり聞いて異常な音が聞こえたら報告するよう指示されたグループは、感じた痛みのレベルが下がったことが分かった。痛みの軽減効果は実験に不安を訴えていた人で特に大きかった。

 論文は、不安を感じやすい人はいろいろな行為に没頭する傾向があり、音楽を聞くといった興味をそそる行為は、痛みを緩和する最も効果的な方法かもしれないと結論づけている。

 どのジャンルの音楽が効果的かを調べる実験は行われなかったが、論文の主著者、デービッド・H・ブラッドショー(David H. Bradshaw)氏は健康情報サイト「WebMD」に対し、重要なのは音楽のジャンルよりも、患者の関心をいかに引きつけるかだと話している。

 これまでの研究で、脳卒中やアルツハイマー病、てんかんなどの脳の病気から急性・慢性の心身の痛みや不安まで、さまざまな症状で音楽療法の有効性が示されている。(c)Relaxnews/AFPBB News