【12月1日 AFP】中国国営中国新聞社(China News Service)は30日、吉林(Jilin)省長春(Changchun)で先月28日、米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)が製造した飲料を飲んだ男性が死亡し、その母親が昏睡(こんすい)状態に陥ったと報じた。

 問題の飲料は、コカ・コーラ傘下のミニッツメイド(Minute Maid)が製造したストロベリー風味の牛乳。2人の症状は有機リン中毒と見られ、警察も、飲料に毒性が極めて高い殺虫剤が混入していたことを確認したという。

 市当局者もこの事実を認めたが、事件性の有無に関するコメントは避けた。

 同紙によると、市の商業・食品安全当局は調査に乗り出し、同じ銘柄の商品の回収を命じた。

 なお、コカ・コーラの中国事業の広報は、AFPの取材に対し、「極めて重大な事態だと受け止めている」と述べた上で、「同じ製品バッチのサンプルを総合的に調べたが、異常は全く見つからなかった。当社の製品はすべて安全で基準も満たしている」と強調した。捜査協力はしていくという。

 中国では、当局がたびたび食品産業の取り締まりを行っているものの、安全基準を満たしていない食品のスキャンダルが後を絶たない。

 国営メディアは先月26日、低脂肪にするために発がん性化学物質クレンブテロールを混入した豚肉が販売されていた事件に絡み、政府職員17人を含む113人に有罪が言い渡されたと報じた。主犯格には2年間の執行猶予付きの死刑判決が下されたという。(c)AFP