【11月27日 AFP】中国政府は24日、少量であれば黄色ブドウ球菌が冷凍食品に含まれても良いとの新たな方針を発表した。これに対し、国営メディアやインターネットでは、政府批判が相次いでいる。

 中国では、冷凍食品製造最大手の思念食品(Synear Food)のぎょうざ製品など、複数の冷凍食品から黄色ブドウ球菌が相次いで検出され、製品が回収される事態になっている。黄色ブドウ球菌は、さまざまな感染症や疾病を引き起こすことがあり、肺炎や髄膜炎など致死性の感染症の危険性もある。

 これまでの規則では、細菌が検出された食品は回収が義務付けられていた。だが新たな方針では、コメや小麦生地などの冷凍食品については、少量であれば黄色ブドウ球菌が含まれることが認められた。

■メディアとネットで批判

 中国共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)は社説で、新方針後の「公衆の不安」に対策を行うよう当局に呼び掛け、「食品の安全に対する公衆の不安を、当局がごまかそうとしてはならない」と述べた。

 インターネットユーザーはさらに批判的で、当局が大企業のために故意に食品安全基準を緩めていると非難。ブロガーの「Tianxiaqimou」さんは、「新基準の下では、致死量未満であれば食品内に毒物を混入することが認められた」と述べた。

 中国の食品業界は、当局による散発的な一斉取り締まりにもかかわらず、依然として食品安全問題が発生している。2008年にはタンパク質含有量を高く見せるために、有害物質メラミンが乳製品に大量に違法添加されるという問題が起きていた。(c)AFP