父親になるとテストステロン減少、育児協力に効果 米研究
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【9月14日 AFP】男性は赤ちゃん誕生後、男性ホルモン「テストステロン」の分泌量が減少するとの研究が、12日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。テストステロンの減少は、父親が育児に取り組む上で役立っている可能性があるという。
論文によると、性欲や闘争心、肉体的強じんさをもたらすテストステロンは若く、未婚で、子どものいない男性に最も多く分泌されている。また、テストステロンが少ないと、男性は父親の役割を引き受け、育児に協力する可能性が高まるという。これは、ほかのほ乳類よりもはるかに長く親に依存した子ども時代を過ごす人間にとっては、特に必要なことといえる。
「人の子を育てるには大変な労力が必要で、協力が不可欠。われわれの研究は、ヒトの父親が育児協力に生物学的に結びつけられていることを明らかにした」と、共同執筆者の米ノースウエスタン大(Northwestern University)のクリストファー・クザワ(Christopher Kuzawa)氏は語った。
研究はフィリピンで5年近く、21~26歳の男性624人を追跡調査した。この間、男性の一部は女性と安定的な関係を築き、父親になった。
研究開始時に単身者で、研究終了時に父親になった男性たちの中では、初期のテストステロンレベルが最も高かった男性群が、父親になる可能性がより高かった。
この特徴は重要な発見だ。これまでの研究では、新婚男性にみられる少ないテストステロン量の原因について、もともとそういった特徴のある男性が結婚しやすいのか、それともパートナーを持つことによる減少なのか判別することができていなかった。
「最初に高いテストステロンだった男性の方が、父親になる可能性がより高かった。だが一度父親になると、彼らのテストステロンは大幅に減少した」と、共同執筆者のノースウエスタン大のリー・ゲットラー(Lee Gettler)氏は語った。
また、テストステロンが最も急激に減少したのは、生後1か月以内の新生児を持つ父親だった。
「父であること、そして新生児がいることで要求されることがらは、多くの感情的、心理的、肉体的適応を必要とする」とゲットラー氏は述べ、「われわれの研究は、それらの要求を満たすために男性の生態が大幅に変化可能なことを示している」と結論づけた。(c)AFP
論文によると、性欲や闘争心、肉体的強じんさをもたらすテストステロンは若く、未婚で、子どものいない男性に最も多く分泌されている。また、テストステロンが少ないと、男性は父親の役割を引き受け、育児に協力する可能性が高まるという。これは、ほかのほ乳類よりもはるかに長く親に依存した子ども時代を過ごす人間にとっては、特に必要なことといえる。
「人の子を育てるには大変な労力が必要で、協力が不可欠。われわれの研究は、ヒトの父親が育児協力に生物学的に結びつけられていることを明らかにした」と、共同執筆者の米ノースウエスタン大(Northwestern University)のクリストファー・クザワ(Christopher Kuzawa)氏は語った。
研究はフィリピンで5年近く、21~26歳の男性624人を追跡調査した。この間、男性の一部は女性と安定的な関係を築き、父親になった。
研究開始時に単身者で、研究終了時に父親になった男性たちの中では、初期のテストステロンレベルが最も高かった男性群が、父親になる可能性がより高かった。
この特徴は重要な発見だ。これまでの研究では、新婚男性にみられる少ないテストステロン量の原因について、もともとそういった特徴のある男性が結婚しやすいのか、それともパートナーを持つことによる減少なのか判別することができていなかった。
「最初に高いテストステロンだった男性の方が、父親になる可能性がより高かった。だが一度父親になると、彼らのテストステロンは大幅に減少した」と、共同執筆者のノースウエスタン大のリー・ゲットラー(Lee Gettler)氏は語った。
また、テストステロンが最も急激に減少したのは、生後1か月以内の新生児を持つ父親だった。
「父であること、そして新生児がいることで要求されることがらは、多くの感情的、心理的、肉体的適応を必要とする」とゲットラー氏は述べ、「われわれの研究は、それらの要求を満たすために男性の生態が大幅に変化可能なことを示している」と結論づけた。(c)AFP