【8月31日 AFP】カナダ保健省は30日、インターネットなどで売られている精液には感染症などの懸念があるとして、人工授精などを試みる人びとに警告を発した。

 同省はカナダ国民へ向けた発表で「必ずしも信頼できるとは限らないインターネットなどのルートを通じて入手したドナーの精液を補助受胎に使用することには重篤な健康リスクがありうる」と警告した。「新鮮な未処理の凍結精液が入手できる、などといったウェブサイト広告には注意が必要」だと呼び掛けている。

 同省では、ドナーから「疑わしい方法」で提供された精液は種々の検査がされていない可能性があり、安全とは言えないと説明している。

 カナダでは、重大疾患の感染リスクを最小限にするため、ドナーからの精液提供には非常に厳格な管理体制がある。規則では、ドナーから提供された精液には最低6か月の検疫期間が求められている。またドナーは精液の提供前と、提供から6か月後に、スクリーニングやその他の検査が義務付けられている。さらに、認可を受け、定期検査の対象となっている加工業者や輸入業者の一覧を同省のウェブサイトで紹介している。

 カナダ保健省のゲーリー・ホルブ(Gary Holub)報道官は、AFPの取材に対し「具体的な(感染)例があったわけではなく、慎重を期すために警告を発した」と述べた。(c)AFP