【7月21日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)で開かれたエイズ医療に関する国際会議で20日、アフリカでヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染予防の一環として男性に奨励されている割礼が、性的快感を高める効果があるという研究結果が報告された。

 17日から4日間の日程で開かれていた同会議で、ウガンダのマケレレ大学(University of Makerere)の研究チームが、割礼の医学的、精神的影響を調査する一環として、2009年2~9月の間に割礼をした男性316人を対象に行った聞き取りの結果を発表した。対象者の平均年齢は22歳だった。

 手術から1か月後に行った調査では、割礼に「非常に満足している」と答えた回答者が82.3%、「満足している」と答えた回答者が17.7%だった。手術から1年後では、220人が性的に活発だと答え、その4分の1がコンドームを使用していると答えた。さらに回答者の92.3%が性的快感が高まったと回答した。

 割礼、つまり男性器の包皮の一部を切除する施術によってHIVへの感染率が半減することは、ケニア、ウガンダ、南アフリカでの調査で2006年に明らかになっていた。その後の長期にわたる調査の結果、割礼の効果はさらに大きく、感染リスクは約60%減少するとの結果も出ていた。

 割礼によるリスクと効果を検討した上で、世界のHIV感染者の3分の2にあたる計3300万人が集中しているサハラ以南のアフリカ13か国で割礼奨励キャンペーンが始まった。その結果、国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、2010年半ばまでに約17万5000人が割礼を受けた。
 
 割礼がHIV感染の予防に結びつくのは、HIVがとりつき、侵入しやすいランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞が集中する包皮が除去されるためだという。(c)AFP