【7月22日 AFP】シエスタと健康的な食事、そしておそらく遺伝が、エーゲ海に浮かぶギリシャの小島の住民たちの長寿の秘訣のようだ。

 ギリシャの心臓医たちが13日に発表したギリシャのイカリア(Ikaria)島に関する研究結果によると、欧州各地では全体の0.1%程度に過ぎない90歳以上の人口が、この島では10倍の1.1%に上るという。

 2009年6月から10月にかけて、人口約8000人のイカリア島の住民1400人以上を対象に、高齢者と中年層に分け、ライフスタイルや食事、臨床的因子などを調査した。うち13%が80歳を超え、男性の1.6%、女性の1.1%は90歳を超えていた。

 また若年層よりも高齢者のほうが食生活が健康で、日中昼寝をとっており、うつ病の有病率も低いことが示された。

■長寿の秘訣は魚、コーヒー、シエスタ

 研究チームは「魚、果物、野菜、豆類、茶などを飲食する食生活が、循環器系を守っている。さらに日常的なオリーブオイルの摂取は性活動に効果があり、これに適量のコーヒーの飲用と午後の『シエスタ』が加われば、長寿の秘訣といえるメニューになる」と述べている。

 論文の共著者クリストス・ピトサボス(Christos Pitsavos)教授によると、高血圧やコレステロール、糖尿病などのリスクの高さは、ギリシャの他の地域と同じだったが、イカリアの住民ではそれらの症状が出る年齢が遅かった。

■遺伝的要素も

 同教授は遺伝的な要素も考えられるだろうと述べている。「興味深い点は今回調査に参加した住民の親たちもまた長生きだったことだ。ギリシャの他の地域の平均寿命が50~55歳だった時期に、平均して67~80歳まで生きていた」

 また研究チームは、循環器疾患の罹患率は、日々の身体活動との関連があるようだとも指摘している。欧州連合(EU)域内では死因の42%が循環器疾患で、医療費など関連する支出は年間1690億ユーロ(約19兆円)に上るという。(c)AFP