【7月10日 AFP】妊娠していることが分かった時点で母親が喫煙をやめれば、生まれてくる子どもの出生時体重は非喫煙者の出産した赤ちゃんと同程度になるとの研究が、4日にスウェーデン・ストックホルム(Stockholm)で開催された欧州ヒト生殖学会(European Society of Human Reproduction and EmbryologyESHRE)で発表された。

 英サウサンプトン大学(University of Southampton)のニック・マックロン(Nick Macklon)教授(産婦人科学)によると、出生時体重は、長期的な健康を考える上で重要な指標となる。

 同教授の研究チームは、2002~2010年に妊婦となったサウサンプトン在住の5万人を調査。妊娠が分かった時点で禁煙した母親の産んだ赤ちゃんは、そのまま喫煙を続けた母親の赤ちゃんよりも平均で300グラム重かった。また、妊娠7~8週ごろに初めて病院を訪れた妊婦の追跡調査を行ったところ、妊娠後2か月ごろに妊娠に気づいた場合でも、その時点で禁煙すれば平均体重の赤ちゃんを出産できる可能性が高いことが示唆されたという。

「妊娠に気づいてすぐたばこをやめれば、手遅れではない」と、マックロン教授はAFPの主題に語った。

 とはいえ、母体の喫煙は出生時体重以外にも胎児にさまざまな悪影響を及ぼすと、マックロン教授は強調。「本当は『妊娠する前に禁煙しなさい』というメッセージを伝えるべきだ。だが現実世界では、意図せずに妊娠する人も多い。だから今回の研究は、そのような人びとにとって良いメッセージになると言える」と述べた。(c)AFP