【6月23日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は22日、豊胸手術で使うインプラントの安全指針を改定し、シリコンジェルが入ったインプラントは安全だが、一生涯もつわけではなく、後になって問題を生じる恐れもあると注意を呼び掛けた。

 FDAは2006年11月、22歳以上の女性を対象に胸部用シリコンインプラントの米国内販売を承認した。しかし、今回改定した安全指針では、シリコンインプラントを豊胸目的で埋め込んだ女性の5人に1人、乳房再建手術で使った人の2人に1人が、10年以内にインプラントの除去手術を受けなければならなかったと指摘した。

 除去に至った原因としては、インプラント周辺の細胞組織が固くなったことによる合併症や、インプラント自体の破損、乳房にできた非対称なしわ、傷、痛み、感染症などが多かったという。

 FDAは、胸部インプラントによってガンや生殖障害が起きるとの知見は予備的な調査では得られなかったとしつつ、一層の調査が必要だとしている。

 アメリカ形成外科学会(American Society of Plastic Surgeons)によると、米国では2010年、シリコンインプラントと生理食塩水パックを使ったものを合わせて39万回の胸部インプラント手術が行われ、その大多数は豊胸目的だった。FDAでは、胸部インプラント手術を受けた人に対し、術後に健康上の何らかの異常の兆候があれば医療機関に相談して欲しいと呼びかけている。(c)AFP

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