【6月6日 AFP】ドイツを中心に腸管出血性大腸菌(EHEC)の感染が拡大している問題で、同国北部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州のゲルト・リンデルマン(Gert Lindermann)農相は5日、感染源はもやしの疑いがあるとの見解を示した。

 病原性大腸菌が引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)による死者は、5日までに3人増え、計22人になった。このうち、スウェーデン人で1人死亡した他は、全てドイツで死亡している。

 リンデルマン農相は同日会見を開き、リューネブルク(Lueneburg)郊外の農場で生産されたもやしを検査したところ、暫定結果ではあるがEHECが検出されたと発表した。なお、農場の女性従業員2人に下痢の症状があり、うち1人からEHECが検出されたという。この農場は、HUSが大流行しているハンブルク(Hamburg)から南に約80キロのビーネンビュッテル(Bienenbuettel)村にある。

 州当局によると、もやしの原料となる豆の一部は海外から輸入されている。もやしは州内のほか、ハンブルクやシュレスウィヒ・ホルシュタイン(Schleswig-Holstein)州などに流通しているという。

 農相は、「(もやしの栽培温度である)37度はすべてのバクテリアにとって理想的な環境」と述べた上で、この農場が「HUSの感染源の1つ」との見方を示した。
 
 詳細な検査結果は6日に発表されるという。(c)AFP