【5月21日 AFP】ヨガには通常のストレッチ運動と比べて、乳がん患者のストレスを低減して「生活の質」を向上させる効果があることを示唆する研究を、米科学者らが18日発表した。

 論文を発表したのは、米テキサス大学(University of Texas)MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson Cancer Center)の研究者ら。乳がんで放射線治療を受けている早期がんからステージ3までの平均年齢52歳の女性患者163人を対象に研究を行った。

 研究チームは女性たちを、ヨガを行うグループと通常のストレッチ運動を行うグループ、何も指示をしないグループの3グループに無作為に分け、ヨガとストレッチは6週間の放射線治療期間中に週3回、1回1時間ずつ行ってもらった。そして放射線治療後1か月、3か月、6か月の3回、それぞれ健康や生活の質についてそれぞれのグループに報告してもらい、さらに心機能やストレスホルモン量の検査も行った。

 結果、ヨガとストレッチを行ったグループは、運動をしなかったグループよりもけん怠感の報告が少なかった。さらに、ヨガのグループでは「身体機能や健康全般に良い効果があった」と感じた人が多く、がんの体験から「前向きな変化」を受け取った人が多かった。

 さらにヨガのグループは、終日にわたってコルチゾールの量が大幅に減少し、「ヨガがストレスホルモンを抑制する効果があることが示唆された」という。

 論文は「終日にわたってストレスホルモンのレベルが高い状態は、乳がんの進行と関連づけられている」ことから、このヨガの効果は重要だと結論している。(c)AFP