【5月12日 AFP】韓国の盧泰愚(ノ・テウ、Roh Tae-Woo)元大統領(78)の肺から前月、はり師が使っていたと思われる長さ7センチもの針が見つかった件で、韓国の東洋医学界に波紋が広がっている。

 盧元大統領は前月、激しい咳に見舞われ、診察した医師が肺の中に針があるのを発見した。針は手術で除去され、深刻な後遺症は残らなかったが、大韓韓医師協会では会員のはり師ではなく無資格のはり師が関与している可能性があるとして、検察に捜査を要請している。同協会の広報担当は「正式な訓練を受けたはり師が、肺に針が届くような治療を行うとは考えられない。真実を明かして公にしてほしい。われわれの職業に対する世間の不信感を生んだ人物は誰であれ、罰せられるべきだ」と述べた。

 メディアは盧氏の肺から見つかった針について、高名なはり師、Kim Nam-Soo氏(96)の下で修行を積んだ無免許のはり師が使用していたものと報じている。Kim氏は名の知られたはり師だが、大韓韓医師協会では免許を持つはり師と認めていない。

 Kim氏自身は1993年以降、自分は盧氏に施術していないと12日の韓国英字紙コリア・タイムズ(Korea Times)に語っている。ただし、弟子の1人が関わっている可能性は否定せず、盧氏自身に真実を明かしてほしいと述べている。(c)AFP