【5月4日 AFP】ドイツでは3年前に飲食店での喫煙を禁じる法律が一部の州で施行されたが、法律の抜け穴を利用したり法を無視したりして飲食店での喫煙が横行している実態が、ドイツがん研究センター(DKFZ)が3日に発表した調査結果で明らかになった。

 DKFZが、ベルリン(Berlin)、ミュンヘン(Munich)、デュッセルドルフ(Duesseldorf)など国内10都市のバーやレストラン約3000店に調査チームを派遣したところ、80%を超える店で喫煙が確認された。DKFZは、この結果は憂慮すべき事態だと警鐘を鳴らしている。

 ドイツでは、2008年7月から一部の州で飲食店での喫煙が禁止されたが、一定規模の飲食店では喫煙室を設けることが認められている。しかし、DKFZの調査では、喫煙室から有害粒子を含んだ空気が禁煙エリアに流れ込んでいることが分かった。また、禁煙に関する規制も州によって異なる。

 こうした現状からDKFZは、「非喫煙者を受動喫煙から保護する法律は実用的でも効果的でもなく、多くの州において失敗していると言わざるをえない」との危惧を示し、欧州連合(EU)各国で成果を上げているような「単純で包括的な禁煙法がドイツにも必要だ」と訴えた。(c)AFP