アスピリンは抗うつ剤の効果を減少させる、米研究
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【4月29日 AFP】アスピリンなど、鎮痛のために服用する抗炎症薬は、プロザック(Prozac)をはじめとする抗うつ剤の効果を減少させる可能性があるとする研究結果が、25日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に掲載された。
現在、5人に1人が大うつ病性障害を抱えているとされるが、うち約3人に1人は抗うつ剤に耐性を持っていると考えられている。
米ロックフェラー大(Rockefeller University)の研究チームは、代表的な抗うつ剤である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)について、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセンと併用した場合の効果を調べた。SSRIには、プロザック、パキシル(Paxil)、レクサプロ(Lexapro)、ゾロフト(Zoloft)などが含まれる。
まず、マウスの実験で、SSRIにより分泌が促進される細胞内シグナル伝達タンパク分子「サイトカイン」の脳内レベルの推移を調べた。その結果、抗炎症薬がSSRIの効果を抑制していることが分かった。
次に、米国で成人4000人を対象に7年間にわたり行われた同国史上最大の抑うつ剤の使用に関する調査「STAR*D」のデータ(2006年に公表)を分析。その結果、抗うつ薬治療が効いたのは、鎮痛剤を使用していない患者で54%だったが、鎮痛剤を使用していた患者では40%だった。
論文の共著者、ロックフェラー大のポール・グリーンガード(Paul Greengard)氏は「(抗炎症薬が抗うつ剤の効果を減じる)メカニズムは不明」としているが、年配のうつ病患者の多くが関節痛などの慢性痛も患っており、抗うつ剤と抗炎症薬の両方を処方されていると指摘し、「医師は抑うつ剤を処方されている患者に抗炎症薬も処方する場合は、その利点と欠点を注意深くはかりにかけなければならない」と話している。(c)AFP
現在、5人に1人が大うつ病性障害を抱えているとされるが、うち約3人に1人は抗うつ剤に耐性を持っていると考えられている。
米ロックフェラー大(Rockefeller University)の研究チームは、代表的な抗うつ剤である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)について、イブプロフェン、アスピリン、ナプロキセンと併用した場合の効果を調べた。SSRIには、プロザック、パキシル(Paxil)、レクサプロ(Lexapro)、ゾロフト(Zoloft)などが含まれる。
まず、マウスの実験で、SSRIにより分泌が促進される細胞内シグナル伝達タンパク分子「サイトカイン」の脳内レベルの推移を調べた。その結果、抗炎症薬がSSRIの効果を抑制していることが分かった。
次に、米国で成人4000人を対象に7年間にわたり行われた同国史上最大の抑うつ剤の使用に関する調査「STAR*D」のデータ(2006年に公表)を分析。その結果、抗うつ薬治療が効いたのは、鎮痛剤を使用していない患者で54%だったが、鎮痛剤を使用していた患者では40%だった。
論文の共著者、ロックフェラー大のポール・グリーンガード(Paul Greengard)氏は「(抗炎症薬が抗うつ剤の効果を減じる)メカニズムは不明」としているが、年配のうつ病患者の多くが関節痛などの慢性痛も患っており、抗うつ剤と抗炎症薬の両方を処方されていると指摘し、「医師は抑うつ剤を処方されている患者に抗炎症薬も処方する場合は、その利点と欠点を注意深くはかりにかけなければならない」と話している。(c)AFP