【4月14日 AFP】アルツハイマー病患者の脳の一部は、発症の10年前から縮小し始める可能性があるとする研究成果が13日、米国神経学会(American Academy of Neurology)の学会誌に発表された。

 米ハーバード大医学部(Harvard Medical School)の研究チームは、アルツハイマー病ではない2つの被験者群のデータに着目した。第1グループ(33人)は11年間、第2グループ(33人)は8年間、それぞれ追跡調査が行われ、定期的に脳のMRI画像が撮影された。

 追跡調査中、第1グループでは8人、第2グループでは7人がアルツハイマー病を発症した。発症者のMRI画像を調べたところ、アルツハイマー病診断の指標となる言語や記憶を司る脳の部位が早くから縮小していたことが分かった。

 MRI測定値の低さは脳の委縮を示すが、測定値が最も低かった11人では55%がアルツハイマー病を発症し、値が最も高かった9人では発症率は0%だった。平均的なMRI測定値を示した人の発症率は20%だった。

 研究者は、「MRIスキャンによって、アルツハイマー病などの認知症に関連した脳部位の変化を早期に発見できる可能性がある。認知症を発症する可能性や何年後に発症するかなどについて予測できるようになるかもしれない」と話している。(c)AFP