全身透視スキャナー、健康リスク無し 米カリフォルニア大研究
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【3月29日 AFP】米国の空港でセキュリティチェックのために使用されているX線を用いた全身透視スキャナーについて、健康リスクはないとする研究結果が28日発表された。
米医師会の内科専門誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」に論文を発表した米カリフォルニア大学(University of California)のチームは、全身透視スキャナーと医療用X線機器で浴びる放射線量を比較した。
「バックスキャッター」と呼ばれるX線放射量の低いスキャナーを比較対象とした場合、全身透視スキャナーを1回通過する間に浴びる放射線量は、歯科用レントゲン1回分の50分の1、肺のレントゲン1回分の1000分の1、マンモグラフィー1回分の4000分の1相当だという。
論文では「スキャナーから放出される放射線量は極めて微量で、日常生活の中で3~9分の間に浴びる放射線量と同程度でしかない」と述べている。さらに「飛行機に搭乗すること自体でも電離放射線は浴びている。スキャナーでの被ばく量は、高度の高いところで受ける宇宙線による被ばくの1%にも満たない」と付け加えている。
さらに「こうしたスキャンとがんのリスクの関連を推定することは難しいが、入手可能な唯一のモデルに基づけば、頻繁に飛行機に搭乗したとしてもリスクは極めて小さい。われわれは、こうしたスキャンによる被ばくには、重大な脅威はないと結論する」と述べている。
米国には、年内に約1000台の全身透視スキャナーを国内の空港に導入する計画がある。現在は全米78空港に486台がすでに導入されている。(c)AFP
米医師会の内科専門誌「アーカイブス・オブ・インターナル・メディシン(Archives of Internal Medicine)」に論文を発表した米カリフォルニア大学(University of California)のチームは、全身透視スキャナーと医療用X線機器で浴びる放射線量を比較した。
「バックスキャッター」と呼ばれるX線放射量の低いスキャナーを比較対象とした場合、全身透視スキャナーを1回通過する間に浴びる放射線量は、歯科用レントゲン1回分の50分の1、肺のレントゲン1回分の1000分の1、マンモグラフィー1回分の4000分の1相当だという。
論文では「スキャナーから放出される放射線量は極めて微量で、日常生活の中で3~9分の間に浴びる放射線量と同程度でしかない」と述べている。さらに「飛行機に搭乗すること自体でも電離放射線は浴びている。スキャナーでの被ばく量は、高度の高いところで受ける宇宙線による被ばくの1%にも満たない」と付け加えている。
さらに「こうしたスキャンとがんのリスクの関連を推定することは難しいが、入手可能な唯一のモデルに基づけば、頻繁に飛行機に搭乗したとしてもリスクは極めて小さい。われわれは、こうしたスキャンによる被ばくには、重大な脅威はないと結論する」と述べている。
米国には、年内に約1000台の全身透視スキャナーを国内の空港に導入する計画がある。現在は全米78空港に486台がすでに導入されている。(c)AFP