医療費支出は多いのに・・・米国人は英国人より不健康
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【3月10日 AFP】米国の医療費支出は年間1人当たりで英国の2倍に相当するのに、罹患(りかん)率はほぼすべての慢性疾患で英国を上回っており、子どもも例外ではないとする論文が、9日の医学誌「米国疫学雑誌(American Journal of Epidemiology)」に発表された。
調査は、0~80歳を対象に、米国で1999~2006年に実施された全国健康・栄養調査と、英イングランドで2003~06年に実施された健康調査のデータを比較した。
すると、医療費支出が高い米国のほうが、疾患の慢性症状でも病勢指標でもイングランドを上回った。これらの慢性疾患には糖尿病、ぜんそく、心不全、脳卒中、高コレステロール、高レベルのC反応性タンパク質などが含まれ、「両国の差は、高血圧をすべての疾患で統計的に有意だった」という。
たとえば、50歳以上の米国人の健康状態は英国人より悪く、寿命も短かった。この傾向は、米国人の肥満率が英国人より高い傾向とは無関係とみられる。これまでの研究で、医療保険、行動、肥満度、社会経済的な地位、人種、民族性について両国の間に際立った違いがないことが示されていることから、研究者らはなぜこのような開きが出るのか首をかしげている。
そこでさらなる調査が必要と見られるのが、両国民が医療財源をどのように利用しているかという点だ。論文は、「米国では英国よりも医療技術が活用されているにもかかわらず、予防医療の利用率はイングランドを下回っている。年間診察回数も米国人のほうが少ない」と指摘している。
なお、米国の健康調査データでは英国より喫煙者数が少なく、飲酒量も下回っていると報告されているが、論文はこうした調査においては回答者が(喫煙や飲酒を)実際より少なく申告する傾向がある」ため、指標にするには注意が必要だとしている。(c)AFP
調査は、0~80歳を対象に、米国で1999~2006年に実施された全国健康・栄養調査と、英イングランドで2003~06年に実施された健康調査のデータを比較した。
すると、医療費支出が高い米国のほうが、疾患の慢性症状でも病勢指標でもイングランドを上回った。これらの慢性疾患には糖尿病、ぜんそく、心不全、脳卒中、高コレステロール、高レベルのC反応性タンパク質などが含まれ、「両国の差は、高血圧をすべての疾患で統計的に有意だった」という。
たとえば、50歳以上の米国人の健康状態は英国人より悪く、寿命も短かった。この傾向は、米国人の肥満率が英国人より高い傾向とは無関係とみられる。これまでの研究で、医療保険、行動、肥満度、社会経済的な地位、人種、民族性について両国の間に際立った違いがないことが示されていることから、研究者らはなぜこのような開きが出るのか首をかしげている。
そこでさらなる調査が必要と見られるのが、両国民が医療財源をどのように利用しているかという点だ。論文は、「米国では英国よりも医療技術が活用されているにもかかわらず、予防医療の利用率はイングランドを下回っている。年間診察回数も米国人のほうが少ない」と指摘している。
なお、米国の健康調査データでは英国より喫煙者数が少なく、飲酒量も下回っていると報告されているが、論文はこうした調査においては回答者が(喫煙や飲酒を)実際より少なく申告する傾向がある」ため、指標にするには注意が必要だとしている。(c)AFP