【3月9日 AFP】小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンを含むワクチンを同時接種した乳幼児5人が死亡した問題で、厚生労働省は8日、専門家による緊急会議を開いた結果、現段階では死亡例とワクチン接種との関連性は認められなかったが、継続的な情報収集が必要であり、ワクチン同時接種の見合わせ措置を継続すると発表した。

 2月以降、0歳から2歳の乳幼児が小児用肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンを含むワクチンを同時接種した後に死亡した例が5件発生している。厚生労働省によると、このうち3人には心臓などに基礎疾患があった。

 問題のワクチンは、米医薬品大手ファイザー(Pfizer)の小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー(Prevenar)」と、仏製薬大手サノフィ・アベンティス(Sanofi-Aventis)のヒブワクチン「アクトヒブ(ActHIB)」で、肺炎、髄膜炎を引き起こす細菌感染症予防に世界で広く用いられている。両社によると、これらのワクチンは100か国以上で数百万人分が販売されている。

■仏とオランダでも同様の事例、ワクチンとの因果関係はなし

 フランスでもことし2月に、プレベナーを接種した乳幼児2人が死亡したが、フランスの保健当局は今月3日、死亡とワクチンの因果関係はないと発表した。

 2009年には、後にファイザーに買収された米医薬品ワイス(Wyeth)も、オランダでプレベナーを接種した乳幼児3人が死亡したことから、国内でのプレベナーの販売を停止し、死亡した乳幼児が接種したのと同じロットのワクチンを隔離した。

 その後2010年2月にオランダ政府とワイスは乳幼児の死亡とワクチン接種との間に因果関係は認められなかったと発表した。(c)AFP