【3月8日 AFP】台湾では、肥満度指数(BMI)で「overweight(過体重)」と判定される男女の死亡率が最も低かったとの研究結果が、7日のカナダの医学誌「カナディアン・メディカル・アソシエーション・ジャーナル(Canadian Medical Association JournalCMAJ)」に発表された。

 研究は10年間にわたり、台湾の男性約5万9000人、女性約6万6000人を対象に死亡率とBMIとの関連性を調べた。

 大半の人のBMIは18~35の範囲にある。米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)はこのうち、25.0から25.9を「overweight(過体重)」、30.0以上を「Obese(肥満)」としている。

 論文によると「プロスペクティブ調査の結果、死の危険性が最も低かったのは、男女ともBMI24.0~25.9のグループだった」という。BMIがこれより高くなっても低くなっても死亡率は上がり、台湾の成人のBMIと死亡率の関連性はU字型を示したと述べた。年齢や喫煙の有無、既存疾患の有無などで分析した場合も、同様の関連性が示されたという。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)はアジアで「過体重」とされるBMI指数の範囲を23.0~24.9に引き下げようとしているが、今回の研究はこれを支持しない結果になったと研究チームは指摘した。

 研究でBMI24.0~25.9のグループの人の平均的な体格は、男性が身長は168センチ、体重は70キロ、女性は身長158センチ、体重は64キロだった。

 中国、浙江大学(Zhejiang University)の朱善寬(Shankuan Zhu)教授はこの論文に解説を寄せ、過体重や肥満の現在の定義を見直す必要がある可能性を示した点や、BMIと生活習慣病との関連性が白人の場合とは異なっていることを明らかにしている点など重要な成果だと述べた。(c)AFP