【2月21日 AFP】オーラルセックスとがんリスクに強い関連性が確認されたとする米大学の研究結果が20日、米ワシントンD.C.(Washington, DC)で開かれた米国科学振興協会(American Association for the Advancement of ScienceAAAS)の総会で発表された。

 米国における口腔がんの原因は、喫煙よりも、ヒトパピローマウイルス(HPV)である場合が多くなっている。

 米オハイオ州立大学(Ohio State University)のモーラ・ギリソン(Maura Gillison)氏率いる研究チームは、米国内の口腔がん症例を調査。白人男性を中心に、口腔がん患者数が1974年から2007年の間に225%増加したことを突き止めた。

 さらに、口腔部にHPV感染が認められた患者と認められなかった患者を比較したところ、両者の間で唯一確認できた差異は、オーラルセックス行為を交わしたことのあるパートナーの数だったという。研究チームは、パートナーの数が増えるほど、HPV感染リスクも増加すると指摘している。

 ギリソン氏によると過去の研究では、生涯に6人以上のパートナーとオーラルセックス経験を持った人において、6人未満だった人よりもHPV感染を原因とする頭部がん・頸部(けいぶ)がんリスクが8倍も高いことが示唆されている。

 こうしたリスクの指摘や、現在はHPV感染を予防するワクチンが開発されたにもかかわらず、オーラルセックスとHPV感染との関連性を裏付ける研究や、なぜ白人男性に口腔がん患者が増えているのかを説明できる研究は、まだ十分ではないとギリソン氏は訴えた。

 一方、米ミズーリ大学(University of Missouri)のダイアン・ハーパー(Diane Harper)氏は、これらの謎の解明には時間を要すると述べつつ、既存のHPV感染判定技術を用いることによって口腔がん分野の研究が急速に進展する可能性があると指摘した。  

 米国立がん研究所(US National Cancer Institute)によると、HPVには150もの種類が存在し、このうち40種が性行為によって感染するという。(c)AFP/Kerry Sheridan

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