【2月19日 AFP】20歳よりも前に髪が薄くなり始める若年性の男性型脱毛症の人は、そうでない人に比べ、中年以降に前立腺がんを発症する確率が2倍高いとする論文が、今週の英医学誌「Annals of Oncology(腫瘍学年報)」に発表された。

 これまでの研究では、男性型脱毛症、前立腺がんとも男性ホルモンのアンドロゲンが強くかかわっていると指摘されてきたが、若年性脱毛症と前立腺がんの関係性は不明瞭なままだった。

 この関係性を明らかにするため、パリ(Paris)のジョルジュ・ポンピドー欧州病院(Georges Pompidou European Hospital)の研究チームは、前立腺がんを発症したことがある338人を含む669人の男性に対し、20歳、30歳、40歳の時の髪の毛の生え具合について聞き取り調査を行った。

 髪が減り始めたのは30歳または40歳以降というグループでは、前立腺がんを発症したことがある対照群と比較して、前立腺がんの発症リスクに変化はなかった。だが、20歳の時点ではげ始めていたというグループでは、発症リスクは2倍だった。

 研究者は、今回の結果についてさらに検証する必要があるとしながらも、前立腺がん検査において、若はげは有益な指標になりうると指摘している。

 現在、前立腺がんの早期発見法として最も一般的なのはPSA検査だが、リスクの少ない腫瘍(しゅよう)と悪性腫瘍の区別ができず、さらに抗原レベルには個人差があるという欠点がある。また前立腺炎をがんと誤認する危険性もあるという。(c)AFP/Veronique Martinache