【2月17日 AFP】耳が不自由な高齢者は、そうでない高齢者に比べて認知症を発症する確率が極めて高くなり、聴覚の悪化とともに認知症リスクも高まるとする研究結果が15日、米医学誌「アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)」に発表された。

 米ジョンズ・ホプキンス大(Johns Hopkins University)の協力のもと行われた研究は、認知症のない36~90歳の639人のデータを対象にした。

 被験者は1990~94年に認知機能検査と聴覚検査を受け、その後も2008年5月まで、アルツハイマー病を含む認知症発症の有無と進行度がチェックされた。

 このうち、125人が軽度の難聴(両耳の聴力レベルが25~40デシベル)、53人が中程度の難聴(同41~70デシベル)、6人が重度の難聴(同71デシベル以上)だった。

 初回の検査から約12年後までに認知症と診断されたのは58人、うち37人がアルツハイマー病だった。認知症リスクは難聴の人で高くなり、難聴の程度が上がるにつれ認知症リスクも高くなった。

 研究者は、「難聴は認知症と関連している可能性がある」とし、その原因としては認知的予備力の消耗、社会的な孤立、知覚神経線維の消失などを挙げている。(c)AFP

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