【2月15日 AFP】中国の放送監視機関である国家広播電影電視総局(広電総局、State Administration of Radio, Film and Television、SARFT)は、映画やテレビ番組でたばこが映るシーンの規制を強化していく方針を明らかにした。

 同局はウェブサイト上で12日、映画やテレビ番組でたばこの銘柄が映ることを禁じたほか、たばこが映るシーンはできる限り短くすること、喫煙シーンに未成年者を登場させてはいけないなど一連の新規制を発表した。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、北京(Beijing)で中学生1万1000人を調査したところ、テレビで俳優がたばこを吸っているのを見て自分も真似したいと思ったことがある生徒は33%近くに上った。

 中国は世界最大のたばこ生産国で、喫煙人口も3億人と世界最大のたばこ消費国でもある。死因でもたばこ関連が上位で、主流煙・副流煙への露出が医療コスト、社会コストを押し上げている。

 中国と外国の医療専門家チームは1月に共同報告で、2030年までに中国のたばこ関連の死亡者の数は現在の3倍に増える恐れがあると警告した。この報告によると、2005年時点のたばこ関連の疾患による死者数は年間120万人だったが、強力な対策を行わない限り、2030年までにその数は350万人を超える可能性がある。

 中国は「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco ControlFCTC)」に5年前に参加している。(c)AFP