【1月11日 AFP】1日2時間以上テレビを見る人は、心臓病リスクが2倍になり、死亡リスクが高まるとする研究結果が、10日の米国心臓病学会誌「Journal of the American College of Cardiology」に発表された。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)の研究チームは、スコットランドで行われた国民健康調査に参加した成人4512人のデータから、「余暇時間にスクリーンの前に座っていた時間」を割り出した。これは、自己申告されたテレビまたはDVDの視聴時間、自宅でのパソコン使用時間、ビデオゲームで遊んだ時間を足したものだ。

 余暇時間にスクリーンの前に座っていた時間が1日2時間未満のグループと1日4時間以上のグループを比較したところ、死亡リスクは後者の方が48%高かった。

 また、仕事の後にスクリーンの前に座っていた時間が1日2時間以上のグループでは、2時間未満のグループに比べて、心臓発作などの心血管系イベントのリスクが125%高かった。

 喫煙、高血圧、肥満度指数(BMI)、社会階級、運動不足といったリスク要因とは無関係だった。その代わり、炎症やコレステロールとの関連性を見出すことができた。

 スクリーンの前に座っていた時間と心血管系イベントの関連性の4分の1は、C反応性タンパク(CRP)、BMI、HDLコレステロールで総合的に説明できるという。CRPは軽度の炎症の指標であり、余暇時間にスクリーンの前に座っていた時間が1日4時間以上のグループでは、2時間未満のグループに比べて、2倍近く高かった。

 働く世代の大半が、通勤時にじっとしていたり、机やパソコンの前で前かがみになるといったことを長年続けていることを考えれば、上記の結果は重大な意味を持っているという。(c)AFP