【12月6日 AFP】北京(Beijing)に住む11歳の小学生がこのほど、市内で流通するキノコ類の大半が有害化学物質で漂白されていることを実験で突き止め、一躍、消費者たちのヒーローとなっている。国営中国青年報(China Youth Daily)が6日、伝えた。

 一方、北京市当局はキノコの97.7%は無漂白だと反論している。

 報道によると、同市在住の小学生、張皓(Zhang Hao)くん(11)は、食用キノコの安全を疑問視する中国メディアの報道を見た母親に、キノコを食べることを禁じられた。

 しかし、キノコは張皓くんの大好物。キノコの無罪を証明しようと、7月ごろからキノコのサンプルを収集し、中国農業大学(China Agriculture University)の研究生の協力を得て、顕微鏡と蛍光灯を使ってサンプルを分析した。

 その結果、張皓くんは、実験したキノコのほぼ全てで化学薬品が使われていることを突き止めたという。

 国内報道によると、これらの漂白剤には肝臓への悪影響や肌のアレルギー、ぜんそくなど呼吸器系の疾病といった多数の健康被害の危険性がある。

 この調査結果は、メディアやインターネットで大きな評判を呼び、市当局は急きょ、キノコ類の97.7%は無漂白で食べても安全だとの声明を発表した。だが、インターネットのアンケートでは、市の声明に信頼を寄せたのがたった8件だったのに対し、張皓くんの調査結果を信頼すると回答した人は1100件に上った。

 張皓くんは「ぼくの調査結果が報道してもらえて、とてもうれしい」と語っている。(c)AFP