【12月1日 AFP】薬指よりも人差し指の長い男性は、そうでない男性に比べて前立腺がんの発がんリスクが1/3以上低く、60歳以下の男性ではさらに低いという研究結果が、1日の英医学誌「British Journal of Cancer」に発表された。

 論文の共著者である英がん研究所(Institute of Cancer Research)のロス・イールズ(Ros Eeles)氏は「特に60歳未満の男性における前立腺がんリスクを知る上で、指同士の長さの比較を簡単な目安になりうることが、この結果によって示された」と述べ、遺伝子検査やがんの家族歴といったその他の危険因子との組み合わせによって、定期的に検査すべきかどうかの判断材料になりうるという。

 研究チームは英国で1994年から2009年にかけて、前立腺がんの男性1500人と健康な男性3000人を調査した。全対象者のうち半数以上で、人差し指が薬指よりも短かった。このグループと、人差し指と薬指の長さが同程度のグループ(全体の約19%)では、前立腺がんのリスクはほぼ等しかった。

 これに対し、人差し指のほうが薬指よりも長いグループでは、前立腺がんの発症リスクは33%低かった。さらに60歳未満の男性に限ると、このグループが前立腺がんを発症するリスクは87%低かった。

 人差し指と薬指のどちらが長いか短いかは、誕生する前に子宮の中で胎児が浴びた性ホルモンのレベルを示す指標とされている。男性ホルモンのテストステロンを浴びた量が少ないほど人差し指が長い。

 これまでの研究で、テストステロンは前立腺がんの成長を促すことが示されている。またほかの複数の研究では、胎内で浴びたホルモンと、乳がんや変形性関節症といった疾患の発症との関連が示されている。(c)AFP