【11月25日 AFP】短時間に大量に飲酒すると肝臓に悪いことは良く知られているが、北アイルランドとフランスで10年にわたって行われた調査から、このような飲酒の仕方は心臓疾患のリスクも高めることが分かった。

 24日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に発表された論文によると、英仏の研究チームはフランスの3都市、リール(Lille)、ストラスブール(Strasbourg)、トゥールーズ(Toulouse)と北アイルランドの首府ベルファスト(Belfast)で50~59歳の男性9700人以上を対象に飲酒パターンを比較した。

 1991年にこの調査を開始した時点では被験者たちに心臓疾患はなかった。また1週間に飲むアルコールの総量はほぼ等しかった。

 しかしフランスでは曜日に関係なく毎日ほぼ一定量の酒を飲む傾向があったのに対し、ベルファストでは週末に集中的に飲む傾向があり、週末のアルコール摂取量はフランスの2~3倍に上っていた。またフランスでは主にワインを飲んでいるのに対し、ベルファストではたいていビールを飲み、次に多かったのはスピリット類だった。

 そして10年間の調査期間中、心臓発作を起こす割合や心臓疾患での死亡率は、一回の飲酒量がほぼ一定の人に比べて短時間に集中的に飲酒する人のほうが2倍近く高かった。

 この研究では「集中的な飲酒」を、一度に50グラムを超えるアルコールを摂取した場合と定義した。アルコール50グラムは、ワインならワイングラス(125ミリリットル)で、ビールならハーフパイント(284ミリリットル)のグラスでそれぞれ4~5杯に相当する。(c)AFP