【11月15日 AFP】テレビがつけっぱなしだったり、兄弟姉妹が駆け回り親が大声を張り上げるなど騒々しい家庭環境で育った子どもは会話の機会が少なく、幼稚園へ通園する年齢に達しても「話す」「聞く」能力が未発達傾向にあるという調査結果を、英教育水準局(Ofsted)が発表した。こうした家庭騒音が、子どもの言語能力発達を著しく妨害する要因となっているという。

 この調査は、優良校といわれる学校における生徒への読み書き教育手法を調べたものだが、一部の学校では生徒の社会性育成や保護者教育に、数日から数週間を費やしていることが明らかになった。

 幼稚園を併設する学校の場合、通園段階になってもおむつやおしゃぶりを使用している幼児がいた。また、幼稚園併設校の大半で「通園年齢に達しても学習態度が身についておらず、聞く力や話す能力も低い子どもが増えている」という声が聞かれた。

 Ofstedによると、これまでの研究結果から、子どもの読み書き能力発達において最も重要な時期は3~7歳までの間とされている。また、優良校では、一貫して生徒に「話す」「聞く」能力を高める機会を提供して、語彙の増強に努めているという。

 だが英国政府の統計によると、11歳児の5人に1人が、この年齢に求められる読み書き能力を取得しないまま小学校を卒業している。

 今回の調査を担当したOfstedのクリスティン・ギルバート(Christine Gilbert)氏は「近年、読み書き能力の水準向上を目指した取り組みが積極的に行われているが、子どもたちの多くは、小学校教育を終える時点で会得しているべき言語能力レベルに達していない」と指摘している。(c)AFP