【11月5日 AFP】ヘビースモーカーが肺がん検診を受ける場合は、X線撮影ではなく、CTスキャンを用いる方が死亡率を20%下げられるとする研究結果が、4日発表された。

 米国立がん研究所(US National Cancer Institute)は、2002年に開始された全米肺がん検診のデータをもとに、少量の放射能を照射するヘリカルCTかスパイラルCTによる検診で肺がん死亡率が下がるかを調べた。

 この検診は、平均で1日たばこ1箱を30年間吸っている喫煙者、または過去に同量を吸っていた元喫煙者、55~74歳の計5万人以上が参加。07年までに年1回、3年にわたってCTスキャンかX線撮影を受けてもらった。

 この間に肺がんで死亡した人のデータを調べてみると、CTスキャンを受けたグループにおける死亡率は、X線撮影を受けたグループより20%低かった。

 研究チームは、なぜCTスキャンがこれほど顕著な死亡率低下に結びついたかについてはさらなる研究が必要としながらも、「致死性の高いがんの多くが、ヘリカルCTスキャンによって初期に発見できた可能性がある」としている。

 しかし一方で、CTスキャンは、X線撮影に比べて料金が高く、被爆量も多いほか、偽陽性となる確率も高いなどの問題点があることを指摘。「CTスキャンは肺がんを予防するものではなく、多くの場合は肺がん死を防ぐこともできない。喫煙に関連した肺病の最良の予防法は、たばこをやめることだ」と注意を促した。(c)AFP