【9月8日 AFP】毛髪に含まれるストレスホルモンのコルチゾールの量を調べることで、心臓発作を数か月前から予見できる可能性があるとする論文が、医学誌「Stress(ストレス)」に掲載された。

 仕事や結婚生活、お金の悩みは、心疾患リスクの増大と結びついているが、慢性ストレスを測るための生物学的指標はなく、心臓発作のリスクが高い人を数か月前から割り出すといったことも不可能だ。

 そこでカナダ・ウェスタンオンタリオ大学(University of Western Ontario)の研究チームは、毛幹のコルチゾールに着目した。これまで血清、尿、だ液中の量が測定されていたが、数時間から数日前までしかさかのぼることができず、長期間のストレスレベルは反映されなかった。

 研究チームは、イスラエル・クファルサバ(Kfar-Saba)の病院で、心臓発作で入院した患者56人と心疾患以外で入院した患者56人から毛髪を採取し、比較した。すると、心臓発作で入院した患者の毛髪の方がコルチゾールが多いことが分かった。

 毛髪は平均して1か月で1センチ伸びるので、6センチ分を調べるだけで長期間のストレスレベルを測定することが可能になる。 

 論文は、糖尿病、高血圧、喫煙、家族の冠動脈疾患の病歴などのリスク要因をかんがみても、毛幹のコルチゾールは心筋梗塞の予測因子として期待できると結論付けている。(c)AFP