「カンガルーケア」で生き返った赤ちゃん、オーストラリア
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【9月2日 AFP】オーストラリアの夫婦が1日、産院で医師に死亡を宣告された新生児が、母親の「カンガルーケア」で奇跡的に蘇生した経験を豪テレビ、チャンネル・セブン(Channel Seven)に語った。
ケイト・オッグ(Kate Ogg)さんはオーストラリアの産院で、妊娠27週目のときに体重わずか1キロの未熟児の男の赤ちゃんを出産した。
ケイトさんによると、医師は20分ほど赤ちゃんの蘇生を試みたあと、赤ちゃんの名前を夫妻にたずねた。夫妻が「ジェイミーです」と答えると、医師は「ジェイミーは助かりませんでした」と告げたという。
命のないジェイミーくんを抱くよう促されたケイトさんは、素肌の胸の上に裸のジェイミーくんを抱き寄せた。この抱き方は、お腹の袋のなかで子育てをするカンガルーになぞらえて「カンガルーケア」と呼ばれる。
赤ちゃんを抱いているうちに、ケイトさんはジェイミーくんが荒い呼吸を始めたことに気づいた。呼吸は徐々に規則的になっていき、ついにジェイミーくんは目を開いた。
ケイトさんと夫のデービッド・オッグ(David Ogg)さんは、医師にジェイミーくんが生き返ったと報告したが、医師は「単なる条件反射だ。ジェイミーくんが生き返ることはありえない」と信用しなかったという。「ジェイミーに生命の兆しがあらわれたのに、彼が必ず生き返ると信じていたのは、わたしたち夫婦2人だけでした」(ケイトさん)
ケイトさんは2時間におよんだ不思議な出来事を、「死の世界から戻ってくるなんて奇跡的だ」と話した。産院も、この事実を確認している。
「カンガルーケア」により、ジェイミーくんはケイトさんの肌の温もりを感じ、胸の鼓動を聞いていたのかもしれない。
「『カンガルーケア』は、名前もかわいいし、楽しいもの。そして何より、わたしたちの赤ちゃんを生き返らせてくれたもの」と、ケイトさんは話す。
夫妻は生後5か月になるジェイミーくんと双子の妹とともに、米国のテレビにも出演する予定だ。(c)AFP