【9月2日 AFP】マウスの実験で、代表的な糖尿病治療薬であるメトホルミンがタバコに起因した肺の腫瘍(しゅよう)を大幅に縮小させたとする論文が1日の医学誌「Cancer Prevention Research(がん予防研究)」に発表された。

 米国立がん研究所(US National Cancer Institute)の研究チームは、ニコチン由来の発がん物質にさらされたマウスにメトホルミンを与え、与えなかったグループと比較した。

 その結果、肺腫瘍の量は、経口で与えたグループでは与えなかったグループより40~50%少なく、注射で与えたグループでは与えなかったグループより約75%も少なかった。

 研究チームは、肺内のがん細胞の成長・生存にかかわるタンパク質を無効にする酵素を、メトホルミンが活性化したと説明している。今回の結果を受け、メトホルミンの臨床試験を行って喫煙者の肺がん予防に活用できるかを探りたいとしている。

 これまでにも、メトホルミンを服用している糖尿病患者ではがんの発症リスクが低いとする研究結果が示されてきた。(c)AFP