【9月1日 AFP】子どもが風邪っぽい症状を呈したときに、市販薬を与えすぎて、子どもをかえって危険にさらしている場合が多いという調査結果を、オーストラリア・シドニー大学(University of Sydney)のチームが30日、国際薬学連合(International Pharmaceutical Federation)の会議で発表した。

 研究を率いたレベッカ・モールス(Rebekah Moles)氏は「処方箋(せん)なしに買える薬は安全なはずだと考えている人がいることに、チームみんなで驚いたと同時に懸念を感じた」と述べた。

 97組の両親と保育所のスタッフを対象に行った調査の結果、「子どもたちは親によって危険にさらされている。熱やせき、悪寒などの症状に対し、手に入る広範囲の種類の市販薬を与えすぎる親が多い」という。子どもに誤った量の薬を与えていた両親は全体の44%、与えようと思う薬の量を正確に計ることができたのは64%にとどまった。また子どもが熱を出した際に正しく対処していたのは、わずか14%だった。

 またオーストラリア周辺の診察時間外の救急コールを一手に受けているニューサウスウェールズ毒物情報センター(New South Wales Poisons Information Centre)に2008年に寄せられた救急要請のうち、48%は子どもに誤って過量投薬してしまった事故に関連するもので、その15%は入院を必要としたことも報告された。

 オーストラリアだけが特殊ではなく、子どもに対する不適切な投薬は世界的に広がっていると、研究チームは注意を呼び掛けている。(c)AFP