【8月24日 AFP】自宅で魚を扱っている際に人差し指をけがした香港の女性(68)が、いわゆる「人食いバクテリア」に感染し、危篤状態に陥っている。香港保健省が21日明らかにした。

 保健省によると、この女性は感染から12時間以内に死亡する危険性もある「壊死(えし)性筋膜炎」に感染したとみられ、集中治療を受けている。

 保健省の健康保護センターによると、すでに健康を害していた女性は18日に左手の人差し指にけがをし、19日には左手と右足に痛みを感じて熱も出たために屯門(Tuen Mun)病院に入院した。入院後、敗血性ショックを発症し、20日には壊死した細胞組織を取り除く手術が行われたが、左手と右足の壊死はかなり進行していた。

 女性の血液を検査したところ、壊死性筋膜炎を発症するビブリオ・バルニフィカスが発見された。このバクテリアは、小さな傷口からも体内に侵入し、筋組織などを破壊する毒素を放出する。

 壊死性筋膜炎は、全世界で年間10万人に0.4例の割合で発生している。医療情報サイト「Medscape」によると、感染者の大半は60代以上。迅速な抗生物質による治療以外は、有効な治療方法はみつかっていない。(c)AFP