【8月11日 AFP】呼気検査で、がんの有無ばかりか、がんの種類まで識別できるとする論文が、10日の英医学誌「British Journal of Cancer」に発表された。

 テクニオン・イスラエル工科大(Technion Israel Institute of Technology)は以前、呼気によって、がん患者とそうでない人の識別にほぼ成功していた。

 同大は今回、呼気センサーを使って、がん患者を含めた合計177人のボランティアの呼気を検査した。その結果、被験者の年齢、性別、ライフスタイルに関係なく、がん患者とがんの種類(肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん)を識別することができた。

 がんの進行に伴い、細胞の表面からは揮発性有機化合物(VOC)が活発に放出される。センサーは、金のナノ粒子を使ってこのVOCを検出する。

 センサーは、X線で腫瘍(しゅよう)が見つかる前にがんを検出する「早期警報システム」として活用できる可能性がある。だが、呼気センサーに関する研究は始まったばかりだ。呼気とがん検出の関連を強化するためにも、がんと診断されていないがん患者も含めてさらに多くのサンプルで試験を繰り返す必要がある。(c)AFP