【8月6日 AFP】心疾患の要因となる2種類の血中脂質(脂肪)を増加させる可能性のある95個の遺伝子変異が明らかになったとする2つの研究結果が、5日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 心疾患の要因には、LDLコレステロールやトリグリセリドの過多、喫煙、カロリーの高い食べ物、運動不足、アルコール摂取などが挙げられるが、遺伝子構造が重要な役割を担っている可能性も指摘されている。

 中核となる1つ目の研究では、米マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)の研究チームが、ヨーロッパ由来の10万人以上を対象にゲノムを解析し、血中脂質レベルの変動に関係する「遺伝子のホットスポット」を探し出した。

 2つ目の研究と総合すると、血中脂質に関連した遺伝子変異が95個明らかになった。これは、遺伝的に決定される全コレステロールとトリグリセリドの3分の1にあたる。うち59個は今回初めて発見された。

 今回の結果により、「悪玉」コレステロールとそれに関連した病気を弱体化する薬の開発に向けた選択肢が広がった。(c)AFP