【8月3日 AFP】赤身肉の摂取と心疾患やすい臓がんなどのがんリスクとの関連は、これまでも指摘されてきたが、デリミートなど加工肉製品の摂取はぼうこうがんリスクを高めるとした米国立がん研究所(US National Cancer Institute)による研究結果がこのほど、医学誌「Cancer(がん)」に掲載された。

 米国立がん研究所は、米国8つの州に住む50歳から71歳までの男女3万人を8年間、追跡調査し、赤身肉に含まれる硝酸塩や亜硝酸塩などの摂取と、がん発症率との関連を調べた。その結果、調査期間中に854人がぼうこうがんと診断されたという。

 硝酸塩や亜硝酸塩の摂取が少ない対象群と比較して、肉類以外の食品からも亜硝酸塩を摂取していた対象群とデリミートなど加工肉製品から多くの硝酸塩を摂取していた対象群では、ぼうこうがんの発症リスクが28~29%も高かった。

 この結果から、研究員らはデリミートに保存料や添加物として用いられる硝酸塩や亜硝酸塩が、リスクを高める原因と結論づけた。硝酸塩や亜硝酸塩は、ぼうこうなどの臓器で腫瘍(しゅよう)の形成を誘発するNニトロソ化合物の先駆物質だからだ。

 一方、ベーコンやハンバーガー、ソーセージ、ステーキなどと、ぼうこうがんとの間には関連性は認められなかったという。(c)AFP