【7月18日 AFP】やせてスリムな体型を維持するには、体重をゆっくり徐々に減らすよりも、一度に集中的に減量したほうがよいという、通説を覆す研究結果がスウェーデンのストックホルム(Stockholm)で開催中の「第11回国際肥満学会(International Congress on Obesity)」で発表された。

 豪メルボルン大学(University of Melbourne)のカトリーナ・パーセル(Katrina Purcell)氏は、ふたつのダイエット方法を比較した。体重100キロ前後の人を対象に、1週間に1.5キロずつ12週間かけて減量する方法と、1週間に0.5キロずつ36週間で行う方法だ。

 すると現在おおかたで信じられているのとは反対で、速く体重を落としたほうが目標体重を達成しやすいという結果が出た。短期間ダイエットをした人の78%が一定期間に体重を15%落とすという目標を達成できたのに対し、より長い期間のダイエットを実行した人で同じ目標に届いたのは48%だった。

■無謀なダイエットは禁物

 パーセル氏は、理由のひとつは心理的なもので、短期集中型のほうがやる気が継続するからだろうと述べた。実際、ダイエットを途中で止めてしまった人は長期間ダイエットでは4人いたのに対し、短期間のほうではわずか1人だった。

 ただしパーセル氏は、短期間で体重を激減させるいわゆる「クラッシュ・ダイエット」は行わないようにと注意を促し、ダイエットは専門家に助言を受けながらやるべきだと述べた。

 この実験に参加した人たちを今後3年間にわたり観察して、ダイエットのスピードと、その後の体重維持やリバウンドとの関係を観察することになっているが、ダイエットで落とした体重とその後の体重維持の関係については、オランダの国立保健医療環境研究所(National Institute for Public Health and the Environment)がすでに研究している。

 同研究所の研究によると、最初に落とした体重が多いほど、ダイエット開始から1年が経過した時点での体重の減少幅が多いという結果も示している。研究者のイェルン・バルテ(Jeroen Barte)氏は最初に10%程度の減量をすることが望ましいことが分かったと述べ、これは通説を打破する研究結果だと付け加えた。

■生活習慣の改善が一番

 しかし先の発表を行ったパーセル氏は、自分の研究では短期集中ダイエットのほうが効果があることを示したものの、食生活習慣自体を改善する長期ダイエットのほうを支持すると言う。研究者の間では、肥満対策に最も有効なのは食習慣、そして生活習慣を変えることだという点に異論はない。(c)AFP/Igor Gedilaghine