【7月15日 AFP】死を迎えるのに最適な国は英国――英誌「エコノミスト(Economist)」の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(Economist Intelligence UnitEIU)」が14日、このような調査結果を発表した。

 EIUは、経済協力開発機構(OECD)加盟30か国とその他10か国の医師・専門家などを対象に、終末期医療に対する国民意識、トレーニングの有無、鎮痛剤の使用状況、医者・患者間のコミュニケーションの透明性などを基準とし、「クオリティー・オブ・デス(QOD、死の質)」を評価した。

 英国は、政府による終末期医療サポートや、ホスピス間のネットワークが充実している点が評価され、40か国中トップに立った。2位にはオーストラリア、3位にはニュージーランドがランクイン。アイルランド、ドイツ、米国、カナダもトップ10入りした。

 デンマーク22位、フィンランド28位など、富裕国とされる国の複数がランキング下位20位と低評価を受けたほか、ワースト10にはポルトガル、韓国、ロシアが入った。最下位はインドだった。

■富裕国での終末期医療整備が急務

 EIUは、「最先端の医療システムを有する富裕国」でも医療制度に終末期医療を組み込んでいない国が多いと指摘。人の寿命が延び、高齢者が増え続けるなか、こうした国々で終末期医療の需要が急激に高まるとの見通しを示した。

 また、緩和医療は病院だけで行われるべきものではないこと、自宅での死を選ぶ人が多いことを挙げ、自宅介護士の育成を強化するよう薦めている。(c)AFP/Charlotte Turner

【参考】EIUの「クオリティー・オブ・デス」ランキング(英語、日本の順位あり)