【7月9日 AFP】フランスで、まぶたと涙管を含む全顔面移植に成功していたことが、8日明らかになった。医師が大衆紙パリジャン(Le Parisien)に語った。

 パリ(Paris)郊外のアンリ・モンドール病院(Henri Mondor Hospital)は前月26、27両日、顔が変形する遺伝病に苦しむ35歳の男性に対し、合計12時間の顔面移植手術を行った。

 10人の医師団は、ドナーから唇とまぶたを含めた顔面を切り取り、患者に移植した。顔面移植は外科手術の中でも最難関の1つに数えられている。神経と血管の接合には顕微鏡を使ったマイクロ外科手術が必要で、拒絶反応のリスクも高い。

 同様の手術は今年4月にスペインでも行われているが、チームを率いたロラン・ランティエリ(Laurent Lantieri)教授は「まぶたと涙管も移植したのは世界初」だとしている。  

 教授によると、男性は、移植手術を2年前から待ち続けていた。「手術後、鏡で新しい顔と初めて対面した瞬間、彼は両方の親指を立てました。とても幸せそうでした」。今では、歩行、食事、会話ができるまでに回復した。あごひげも生えはじめたという。(c)AFP/Marlowe Hood