【6月22日 AFP】早期閉経した女性は、晩年の心臓血管疾患や心発作、脳卒中の危険性が、早期閉経でない女性と比べて2倍以上高いとの研究結果が、21日に米カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)で開かれた内分泌学会の年次総会で発表された。

 論文主筆者の米アラバマ大学バーミングハム校(University of Alabama at BirminghamUAB)のメリッサ・ウェロンス(Melissa Wellons)氏は、年次総会で「早期閉経は、米国女性の死因ナンバー1である心臓血管疾患の潜在的リスク要因だ」と報告した。この研究で早期閉経とは46歳未満の自然閉経または手術による両卵巣の摘出によるものを指す。米国立衛生研究所(National Institutes of HealthNIH)が研究資金を提供した。

 過去の同様の研究では、早期閉経と心臓血管疾患との関連性は白人または欧州系の女性を中心に調べられていた。しかし、今回の研究では、2500人以上の対象者のうち約40%が白人、25%が黒人、22%がヒスパニック系、そして13%が中国系米国人と、多様な人種・民族を対象に調査が行われた。

 研究は2000年7月に開始。女性の年齢は45~84歳で、そのうち28%が早期閉経(446人は自然閉経、247人は手術閉経)だった。閉経前の女性は、早期閉経のないグループに含まれた。

 その後、女性たちの心臓血管疾患(心発作、心不全、狭心症、血管形成術やバイパス術後の狭心症とみられる症状、脳卒中)の疾病歴を追跡調査したところ、55歳未満ではこれらの疾病は全くみられなかったものの、「(55歳)以降、早期閉経の女性は、早期閉経でない女性と比較して心臓血管疾患にかかる可能性が高かった」という。

 ウェロンス氏は、「この研究は観察研究であるため、早期閉経が将来の心臓血管疾患の要因となっていると結論づけることはできない」と述べ、「女性は運動や健康的な食生活によって、高いコレステロール値や高血圧などの修正可能なリスク要因を改善することができる」と指摘。その一方で、「しかし、将来の心臓や血管の疾患リスクの指標として、閉経年齢を用いることは可能かもしれない」と結論づけた。(c)AFP