「女性版バイアグラ」、米FDA諮問委が承認に反対
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【6月19日 AFP】米食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)の諮問委員会は18日、「女性版バイアグラ(Viagra)」などとも呼ばれる女性の性的興奮を促進させる薬剤「フリバンセリン(Flibanserin)」について、「危険性を正当化するほどの十分な効果がみられない」として全会一致で承認に反対する決定を下した。
FDAのリプロダクティブ・ヘルス薬諮問委員会は、提示された証拠がフリバンセリンの効果や安全性を示していないと指摘。同委員会の委員長を務めるジュリア・ジョンソン(Julia Johnson)米マサチューセッツ大医学部(University of Massachusetts Medical School)産婦人科長は、「危険性を正当化するほどの十分な効果がみられなかった」と述べた。また、FDAが採用した研究結果によれば、フリバンセリンには抑うつやめまいといった副作用を引き起こす危険性がみられた。諮問委員会の判断に法的強制力はないが、FDAは慣例的に諮問委員会の判断に従っている。
■女性版バイアグラは本物か
フリバンセリンは、ドイツの製薬会社ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelhein)が開発した薬剤で商品名は「Girosa」。男性用の性的不能治療薬であるバイアグラの女性版などとも呼ばれており、閉経前の性的関心が低い女性の脳内化学物質に作用するという。しかし、現在まで販売認可を出した国はない。
米国とカナダで2年間にわたって女性たちの日記を分析した研究によれば、フリバンセリンを投与された女性たちは、満足のいく性的経験が1か月あたり平均で4.5回増加したのに対し、プラシボ(偽薬)を投与された女性たちは3.7回にとどまったという効果もみられた。
また、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」などに掲載されたいくつかの臨床試験では、女性たちの少なくとも40%が性的欲求の減退を抱えているとの結果が出ているが、これらの調査は製薬会社大手が資金提供しているとして批判する声も上がっている。(c)AFP/Jean-Louis Santini
FDAのリプロダクティブ・ヘルス薬諮問委員会は、提示された証拠がフリバンセリンの効果や安全性を示していないと指摘。同委員会の委員長を務めるジュリア・ジョンソン(Julia Johnson)米マサチューセッツ大医学部(University of Massachusetts Medical School)産婦人科長は、「危険性を正当化するほどの十分な効果がみられなかった」と述べた。また、FDAが採用した研究結果によれば、フリバンセリンには抑うつやめまいといった副作用を引き起こす危険性がみられた。諮問委員会の判断に法的強制力はないが、FDAは慣例的に諮問委員会の判断に従っている。
■女性版バイアグラは本物か
フリバンセリンは、ドイツの製薬会社ベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelhein)が開発した薬剤で商品名は「Girosa」。男性用の性的不能治療薬であるバイアグラの女性版などとも呼ばれており、閉経前の性的関心が低い女性の脳内化学物質に作用するという。しかし、現在まで販売認可を出した国はない。
米国とカナダで2年間にわたって女性たちの日記を分析した研究によれば、フリバンセリンを投与された女性たちは、満足のいく性的経験が1か月あたり平均で4.5回増加したのに対し、プラシボ(偽薬)を投与された女性たちは3.7回にとどまったという効果もみられた。
また、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」などに掲載されたいくつかの臨床試験では、女性たちの少なくとも40%が性的欲求の減退を抱えているとの結果が出ているが、これらの調査は製薬会社大手が資金提供しているとして批判する声も上がっている。(c)AFP/Jean-Louis Santini