【6月11日 AFP】8本の手足を持って生まれたインドの7歳の少年が、分離手術に成功した。

 ディーパク・パスワン(Deepak Paswan)君は、インドの貧しい地域で生まれた。腹部には寄生性双生児が結合しており、ディーパク君には合わせて4本の腕と4本の脚があった。

 ディーパク君が住んでいたビハール(Bihar)州の村には信心深い人びとが集まり、4本の腕を持つとされるヴィシュヌ(Vishnu)神の生まれ変わりとしてあがめられたという。しかし家族はこのような扱いを好まず、腕と脚の分離手術を求めて、公的な活動を3月に開始した。

 その甲斐もあり、5月30日、バンガロール(Bangalore)のフォーティス病院(Fortis Hospital)で手術が実現した。高額な手術代は、病院が負担したという。

 下層カーストに属する建設作業員の父親は9日、4時間かかった手術が「奇跡」だと称賛。息子が「他の男の子と同じように」学校に行けることを喜んだ。

 病院によると、手術は15人の医師が執刀。手術前には、数か月にわたる入念な協議が行われた。

 執刀医のRamcharan Thiagrajan氏は、将来的に腸が正常に機能するよう更なる努力が必要だと指摘したものの、ディーパク君の健康状態については太鼓判を押した。

「これまで悪い注目を浴びたことで、落ち着かず精神が不安定だった。しかし、手術を無事に終えたいま、カウンセリングなどで普通の人生を送れるようになるだろう」

 インドでは2007年にも、ラクシュミ(Lakshmi Tatma)ちゃんという生まれつき8本の手足を持つ女の子が分離手術に成功している。(c)AFP/Imran Khan