【6月6日 AFP】こってりしたソースとトッピングをいっぱい重ねたハンバーガーを食べる食生活は、動脈硬化だけでなく、特に子どもたちの気管支喘息(ぜんそく)や喘鳴(ぜんめい)を引き起こす危険性があるとの研究結果が、3日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に掲載された。

 逆に、果物や野菜、魚をたくさん摂って、脂肪分を少なめにする「地中海式ダイエット(食生活)」は、喘息に関連した呼吸器系の問題を予防する効果があるという。

 ドイツ・ウルム大学(University of Ulm)のガブリエル・ネーゲル(Gabriele Nagel)氏率いる研究チームは、8~12歳の子ども5万人の健康状態を、1995年から2005年にかけて豊かな国と貧困国の20か国で調査した。

 研究チームは、子どもたちの親に、子どもたちのふだんの食生活とともに、子どもたちがこれまでに喘息や激しい喘鳴の診断を受けたことがないかを質問した。また、子どもたち3万人を対象に、食物や飲料がアレルギーを引き起こす要因になったかどうかを診断した。

 その結果、食生活は、くしゃみを引き起こす草や花粉などのアレルゲンへの過敏性に対しては影響を及ぼさなかった一方で、喘息と喘鳴の有病率とは相関関係があった。

 たとえば、砂糖でいっぱいの炭酸飲料と一緒に週に3つ以上のハンバーガーを食べる子どもは、そうでない子どもにくらべて、非常に高い危険性に晒されていた。

 しかし、貧困国においては、ハンバーガーを食べることが、豊かな国ほどの危険性をもたらさなかった。これについて、研究チームは、ハンバーガーは喘息などの直接の原因というよりは、喘息などを発症しやすいライフスタイルの複雑な環境を示す指標なのだろうと結論づけた。(c)AFP