【4月30日 AFP】インドの軍医のチームが、70年前から食べ物も飲み物も摂取していないという83歳のヨギ(ヨガの聖者)の体の仕組みについて現在じっくりと調査中だ。

 プララド・ジャニ(Prahlad Jani)さんは今月22日から、インド西部アーメダバード(Ahmedabad)の病院に缶詰めにされ、医師30人によって1日24時間、観察されている。29日の時点で観察開始以降、ジャニさんは一切の飲食をせず、トイレにも行っていないことが確認されている。

 部屋にはビデオカメラが2台設置されているほか、用事で部屋を出る時にはビデオカメラを持ったスタッフが付き添うという徹底ぶりだ。ジャニさんは15~20日間にわたって病院に留め置かれ、血液検査、MRI検査、電極を使った脳や心臓の測定など神経生理学的な検査が実施される。

 後援しているのは国防省傘下のインド国防研究開発機構(Defence Research and Development OrganisationDRDO)の一部門である生理機能に関する研究所だ。

 研究ディレクターのG. Ilavazahagan博士は調査の目的について「どのようなエネルギーによって彼は生存できているのかを理解することにある」と語った。またジャニさんが「瞑想(めいそう)によりエネルギーを得ている」と語っている点に触れ、「兵士たちは瞑想はできないかもしれないが、ジャニさんに備わっていると見られる生存能力は兵士にも参考になる」と期待を寄せた。

 さらに自然災害や極限のストレス状況下、宇宙空間などで生存するための戦略づくりへの応用も視野に入れている。

 データを分析した結果、ジャニさんの秘密が明らかにされるか、それとも彼の主張がまったくのでたらめだったかの判断が下されるまでには、少なくとも2か月はかかるという。(c)AFP/Rajesh Joshi