【4月21日 AFP】日焼けマシンを使用している人は、依存症の基準に適合している可能性があり、不安症状や薬物乱用に悩まされる可能性が高い――。こうした研究が19日、皮膚科についての専門誌「アーカイブス・オブ・ダーマトロジー(Archives of Dermatology)」に発表された。

 研究は、ニューヨーク(New York)のスローン・ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)とニューヨーク州立大学オールバニ校(University at Albany, State University of New York)の研究チームが行った。

 研究チームは、過去1年間に日焼けマシンを利用したことのある229人を含む、421人の学生を対象に調査を行った。その結果、日焼けマシンを利用した学生は、平均して1年間で23回利用していたことがわかった。さらに、薬物中毒を含む依存症状を判断する2つの基準に照らすと、約70%が日焼け行為に依存する兆候が出ていることが明らかになった。

 研究チームは、「太陽光によらない紫外線照射に関連する健康リスクを周知するために、これまで行われてきた取り組みにもかかわらず、若者の間では気安く日焼けを行うことが増加している」と指摘。さらに、「外見を良くするという理由に加え、リラックスや気分の高揚、社交としての動機も挙げられている」と述べている。

 研究チームは、今後の研究で、「感情的要因」と室内での日焼けとの関連性が確認された場合、潜在的な気分障害を治療することが、日焼けマシンを頻繁に利用する人の間での皮膚がんリスクを減少させる上で必要なステップとなる可能性があるとしている。
 
 なお、日焼けマシンの利用者に不安症やうつの検査も実施される可能性については、精神疾患の専門家に任せられるべき問題であるため、今後判断されるべき問題だという。(c)AFP